購入しても良い物件か、判断基準について

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健美家や楽待、アットホームなどの不動産情報サイトを見ていると、投資用不動産・収益不動産が沢山掲載されています。

その中で、どの物件が買っても良い物件なのか。
この物件を買って利益を生み出せるのか。
失敗しないのか。

とても悩みます。

市場相場よりも安くて良い物件を買えれば、たいてい上手くいきます。

一方、相場よりも高く買ってしまった場合、取り返しがつかなくなる可能性もあります。

良い物件とはどんな物件か。
不動産は、2つとして同じ物件がないので悩みどころです。

今回は、購入してもよい物件についてまとめました。

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判断基準

良い物件とは、物件の様々な状態・状況から市場相場より割安な物件です。

ここでのポイントは、物件の様々な状態・状況、です。

同じ物件は2つとないため、比較するのが難しいです。

適正な価格についても分かりにくいです。

(そのため不動産の価格は高いものや安いものができるので、不動産投資家としては、安い物件を購入できるチャンスとも捉えられます)

同じ物件はないので、比較するには、相対的に比較することになります。

まずは、同じ地域の似ている物件と比較して、良いか安いかを判断していきます。

判断する比較ポイントは以下です。

1.周辺物件より利回り(収益性)が高いか
2.周辺物件より積算価格が高いか
3.入居者がつけられるエリアか
4.売却可能か
5.事業として成り立つか

周辺物件よりも、修繕費用を含めても利回りが高く、積算評価も高く、入居者がついて、売却が可能であれば、非常に良い物件です。

利回り(収益性)が高いかの確認方法

利回りとは

収益物件が、どれくらいのお金を稼ぐかの指標として、利回り、があります。

利回りの算出は以下です。

利回り=年間家賃収入/物件価格

収益不動産の基本指標です。

市場相場価格よりも安い物件が良い物件と述べましたが、安い物件は、この利回りが高くなります。

そのエリアの他の物件よりも利回りが高い物件が、市場相場より安く、良い物件である可能性が高くなります。

利回りについて、より詳細を解説したあわせて読みたい記事
↓↓
不動産投資の利回りについて 3つの利回り計算式

家賃の内容を確認

利回りが高い物件を見つけても注意が必要です。

相場家賃よりも高く想定して、利回りを高く見せるように手を加えている物件があります。

細工された家賃でないか、確認しましょう。

家賃の確認は、まず、現状の家賃を確認するため、不動産屋さんからレントロールをもらいます。
(レントロール:家賃一覧表)

家賃を高く想定して利回りをよくみせる方法と、その確認方法は以下です。

1.周辺の家賃相場より高い家賃を設定する。
 高い家賃で募集をして、フリーレントや広告費を沢山支払い、無理やり空室を埋める。
 →確認方法:周辺の家賃相場を調べる。賃貸借契約の契約日で調べる。

2.水道代や自治会費を家賃に含めて利回りを高くする。
 →確認方法:家賃の内訳や年間の維持費・必要経費を確認する。

3.家賃以外の収入を足す。自動販売機の売上や電話アンテナ、太陽光発電などの収入。
 →確認方法:家賃とその他の収入の内訳を確認する。

4.経費を確認する。電気代、浄化槽、エレベーター、消防点検などのオーナー負担費用を確認する。レントロールには記載されないことが多いため別途確認。かかる費用がある場合、利回りが下がる。

周辺の家賃相場の調べ方は、ホームズやSUUMOで購入を検討している物件の駅距離や間取りなどの条件を同じような条件にして検索します。

ホームズ家賃相場
・SUUMO家賃相場

その他、代行で徴収して支払っている費用を家賃に含めて利回りを高くみせているケースもあります。

たとえば、古い物件で、水道メーターが一括でしか設置されておらず、入居者さんから水道代金を徴収している場合があります。

その水道代金を家賃に含めて、利回りを高くしているケースがあります。

実際には、水道使用量は大家さんが支払うため、利回りに含めてはいけませんので注意しましょう。

また、太陽光発電の収入を家賃に含めて計算しているケースが多いです。

10kw以上の業務用の場合、売電価格固定の買取期間は20年です。それ以降の買取価格は未定で、どうなるか未確定です。
そのため、太陽光発電の売上を単純に家賃に入れて思案するのは注意が必要です。
家賃と分けて考え、残存期間などを確認しましょう。

エレベーターがある物件の場合、エレベーターの点検費や電気代の負担は大きな金額がかかります。

かといって、エレベーターつきの物件だから家賃を上げるというのは難しいので、不動産投資家の購入対象としてエレベーターつきの物件は避けられる傾向が多いです、

エレベーターが故障して交換が必要になった場合、費用は莫大になります。
エレベーターつき物件は注意しましょう。

浄化槽の物件は、維持メンテ費がかかります。費用は、物件の規模やエリアにより変わります。確認しておきましょう。

消防点検が必要な物件も、維持メンテ費がかかります。該当内容次第で、定期的なメンテナンスと報告義務が生じます。確認しましょう。

既存入居者の中に、家賃を滞納している人がいる場合、自分が購入した後も払えない可能性が高いです。
退去してもらうにも費用がかかることが多いので、滞納者がいないかも確認しましょう。

修繕費がどれくらいかかるか

購入した状態ですぐに募集がかけられる状態の場合は問題ありませんが、空室がありリフォームが必要な場合や、外壁塗装・屋上防水が必要な物件など、費用がかかる場合も多くあります。

概算でも費用を見積もっておかないと、購入後に利回りが大きく下がってしまいます。

どういう内容だとどれくらいかかる、という算出は難しく、物件の規模や状態でも異なるため、不動産屋さんや工事業者さんなどに問い合わせ、ざっとでも把握しておきましょう。

積算価格が高いか

まず積算価格とは、土地と建物価値を足したものです。

たとえば土地の価格が3,000万円、建物の価格が2,000万円のアパートがあるとします。

もしその物件が4,000万円で売られていたら安いといえます。
担保余力があると考えられます。

このように、積算価格と、その物件の販売価格を比較して、割安か割高かを判断することもできます。

銀行から融資を受けるときも、その物件にどのくらいの担保価値があるかを知る目安にもなります。

なお、一般的に、物件価格>積算価格、となっている場合が多いです。

そのため、物件価格が積算価格より安いかよりも、周辺の物件の積算価格と物件価格の乖離幅を比較して、検討している物件の乖離幅がどうか、積算価格が高いかどうかをみるように使います。

土地の積算価格の出し方

土地の積算価格の出し方は、物件の前面道路の相続税路線価を調べ、土地の面積に掛けます。

たとえば相続税路線価が㎡あたり10万円で、土地の面積が200㎡だとします。

この場合の土地の積算価格は、

10万円/㎡ × 200㎡ = 2,000万円

となります。

なお、土地の積算価格の算出方法は、上述の相続税路線価を使用するもの以外に、固定資産税路線価、公示地価をもとに算出する方法もあります。

金融機関や人によって、どれをもとにするか異なりますが、比較的、上述の路線価をもとにすることが多いです。

・相続税路線価:相続税の基準となる路線価
・固定資産税路線価:固定資産税の基準となる路線価
・公示地価:実勢価格に近い地価

専門用語が並んで覚えにくいかと思います。

まずは、相続税路線価に土地の面積をかけて土地の積算価格、と覚えましょう。

建物の積算価格の出し方

建物の積算価格の出し方は、

再調達価格×延床面積×(法定耐用年数-築年数)÷法定耐用年数、で算出します。

再調達価格は、その物件と同じものを新しく手に入れるために必要な金額、です。
物件の規模や建材の種類、構造によって変動します。

こだわりを持って建てたお家はどうなるの?
注文住宅や、無垢材を使ったお家、海外製のキッチン・設備を入れたお家は?
これらにより建築コストが高額になるとともに良いお家が出来上がります。

しかし、投資用・事業用不動産の積算価格算出の世界では、高級な設備や材質などは建物の価値に反映されません。

建物の価値を出すにも、正確に試算するには膨大な情報・要素を洗い出し、判定する必要があります。

そのため、積算価格試算では、一律の単純計算で建物積算価格を算出します。

一般的には以下の3項目で決まります。

・建物の面積
・建物の構造
・建物の経過年数

建物の構造は、RC造(鉄筋コンクリート造)、重量鉄骨造、軽量鉄骨造、木造、があります。

そして耐用年数。

耐用年数とは、税法上での建物価値が0とみなすまでの期間年数です。

RC:耐用年数47年、再調達価格18万円/㎡
重量鉄骨:耐用年数34年、再調達価格15万円/㎡
木造:耐用年数22年、再調達価格12万円/㎡

(再調達価格は、金融機関や人によって、若干バラつきがありますが、一般的に上記の金額を用いています)

具体例として、木造で試算してみます。

延べ床面積200㎡で築11年経過している木造の建物積算価格は、

200㎡ × 12万円/㎡ = 50% =1200万円

木造の耐用年数22年のうち築年が11年(半分)経過しているので、価値も残り半分とみます。

実際の木造物件で、築年が11年経過程度では、まだまだ住めますし、キレイにすれば問題ありません。

しかし、この積算評価では、価値が半分と、現物と異なり、厳しい評価となります。


この積算価格は、特に、金融機関で融資を組むのに重要な指標となります。

上述の通り、建物の評価は年々下がり、土地は都会ほど積算価格より購入価格が低いことは少なくなります。

しかし、そういう物件を買い進めていくと、物件の評価より借入金(ローン残高)の方が多いため、債務超過とみなされ、融資がでなくなる可能性がでてきます。

ローンを使って物件を増やしていくことを考えている人は、この部分にも注意が必要です。

通常、都会に近づくほど少なくはなりますが、土地の積算評価以下の物件が売りに出ることがあります。

そういう物件を購入していくと、担保余力(積算価格ー借入金額のプラス部分)があり、銀行からプラス評価をされ、債務超過について回避でき、次の物件も融資を受けれるという状態にもっていきやすい、というのが基本的考え方です。

入居者がつけれるエリアか

賃料収入で利益をあげる不動産投資では、借りる人がいなければ利益を出せません。

そのため、検討物件のエリアに、借りる人がいるか、需要を調べておく必要があります。

調べるポイントは以下です。

・検討物件の市の人口推移を確認。
・最寄り駅や最寄りターミナル駅の乗車人数を確認。
・ホームズの見える!賃貸経営の賃貸需要マップで確認。
・検討物件のエリアの賃貸物件を確認。空室がどれくらいあるか確認。
・検討物件エリアの不動産屋さんに電話して確認。

すべてを満たさないとダメというわけではありません。

そのエリアで賃貸物件を運営できるかという視点で、できると判断できるかがポイントです。

たとえば、人口が減り続けているエリアは多いですが、賃料を割安にするなどで満室運営が続いているようであれば、運営可能です。

検討物件は空室が多くても、周辺の物件が埋まっているなら、リフォームを施し、的確に募集すれば埋まる可能性があります。

一方、地主さんが相続税対策でアパートを沢山建てているようなエリアで、空室も多く似たような物件も多い、
大学の近くで大学生の入居に頼りすぎていて、大学が移転したら需要がなくなるエリアなど注意すべきエリアもあります。

ワンルームや1DKなどの間取りで、似たような物件が多く売りに出されているエリアも注意が必要です。

売却可能か

売却が可能な物件であれば、何かあったときに売却することができるので、リスクを下げることができます。

売却可能かどうか判断するポイントは以下です。

・買いたいと思う人がいるエリアか
・融資が付くか
・物件価格

たとえば、都心の一等地の物件であれば誰もがほしい物件だと思います。
反対に、地方の山奥の物件になると、買いたいと思う人は一気に少なくなると予想できます。
これは極端な例ですし、山奥でも人気のエリアもあるかもしれません。
検討物件のエリアが一般的に買いたいと思う人がいるエリアかどうか。
もし、いなそうであれば、売却せず最後まで保有することを考える必要があります。

つぎに、融資が付くか。
これは投資用不動産において、一番大きなポイントです。
融資が付かないと、物件を購入できる人が激減するからです。
融資をうけて購入できないと、現金で買える人を探すことになります。
現金で買える人限定となると、一気に対象は減りますし、現金があっても融資をうけて買える物件を優先します。

そのため、購入検討の物件が、融資を受けて買える物件かどうかは、売却を考える上で重要なポイントとなります。

耐用年数を超えていると融資を出さない、旧耐震基準の建物の物件には融資を出さない、など、銀行によって色々な基準があります。

それらを考慮して、融資をしてくれる銀行があるかどうか検討しておくことが売却できるかに大きなウエイトを占めてきます。

さいごに物件価格について。

物件の価格が高いと、買える人が限られます。

どういうことかというと、結論としては、1億円を超えると購入できる投資家の数が減るということです。

理由は色々ありますが、
銀行が一般個人や企業の規模により、融資総額1億円までというラインを設けている銀行が多いということもありますし、
1億円持っている人が少ない、ということなど、多々あります。

積算価格が割安であったり、収益性が良くても、融資総額にラインを設けている銀行の場合、融資不可となります。

物件が1億円を超えると、買える人は減ると把握しておきましょう。

まとめ

不動産は同じ物件が2つとないので、良い物件かどうか見極めるのは難しいです。
しかし、同じエリアで似たような物件と相対的に比較することで、判断することができます。

また、同じものがないことにより、価格の歪みが生じ、チャンスが生まれるという側面もあります。

この記事が、不動産投資を始めたい方に寄与でき、
この記事をご覧頂いた方で、良い物件を見つけて良い賃貸経営を始められることを願います。


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